大福寺 鐘楼


大屋には、宮本・天王社奉納発句奉納額、上山・坂益神社奉納句碑、筏・阿弥陀堂奉納俳諧集
| これほどに枯るけふにもありしかな 但夏梅 沙月 |
| 水となる世話もうれしき糸瓜哉 京 哥堂 |
| 夢殿のあとかたもなしすみれ草 沙月 |
| 日ぐらしや松にのこりし二日月 京 紫水 |
| 川狩の罪かそへけり夏百日 但竹田 皿茶 |
| 世をいとふ灯見へてかれ柳 但生野 竹也 |
| 青海苔や海の底にも春の色 沙月 |
| ゆうたちのふりととまりぬ原の松 生野 義風 |
| 梅の香にしたしかりけり小隣哉 竹也 |
| 白茄子のよこれぬうちに散にけり 播岸田 亀有 |
| 川岸やゆう日の柳合歓の花 播赤松 白画 |
| 硯おく筵に桃の月夜かな 京 文桂 |
| 鶏頭はものうき茎のふとさかな 皿茶 |
| かれ萩の雪さへ置す起あかり 但和田山 一蛙 |
| 梅かかり静かなり人の面 竹也 |
| 花落て十日もはやしはつ茄子 但 淇竹 |
| ひともとは沢のながれやかきつばた 夏梅 兎月 |
| ちる花にそみつつ嵯峨の薪かり 夏梅 素月 |
| よはよはとうたふ声ありなつの山 竹田 桃立 |
| 草刈の鎌入かぬるはな野かな 京 哥堂 |
| 冬の梅にほふほとなる日南かな 但森垣 木似 |
| 南天や一つふたつの秋の色 ヤナセ 寿硯 |
| 夕日さすかたになだれて秋の山 竹田 西 |
| 六尺の軒に五尺のあやめかな 竹田 仏舟 |
| またもとの瀬にはみちけり秋の水 大屋 木徒 |
| 富士に似たと指さす雪の景色哉 仏舟 |
| 一ゑだは滝にうたるるさくらかな 大屋 餘更 |
| 紅梅や産着仕立るまとのさき 白画 |
| 寂色のうつるなかれや崩れ梁 播神戸 民□ |
| 朝まだき匂ひこぼしぬ池の蓮 但大屋 西郭 |
| 傘たつるうちに散りけり芥子の花 蔵垣女 里機 |
| 水かれて石のにほひや夏の川 ヤナセ 士口 |
| 若草や輪かさり落とし井の辺 京 和水 |
| 夏草は大かたしらぬ名なりけり 京 如薫 |
| 古川や岩根岩根のつくつくし 但夏梅 井蛙 |
| 野末から秋をよひくるすすき哉 播福野 好之 |
| うき草や雨の朝をさきおふせ 但生野 兎雪 |
| はつ秋やひとつあからむ唐辛 淇竹 |
| 投わたす板のひずみや川すすみ 仏舟 |
| 色と香にかざして帰るさくらかな 仏舟 |
| 板越し老いのきおいやころもかえ 西 |
| わきさしに祖父もちそゆる菖蒲哉 竹田中町 若連中 |
| 有りなしの日を奉れはつ茄子 ヤナセ 登 |
| たよりなき道にもさきしさくら哉 ハマサカ 弥山 |
| 夏菊や風鈴さはるよしふすま 京 嘉情 |
| 朝々や釣瓶に上るきりの花 沙月 |
| 硯かる家さへまれや山さくら 紫水 |
| 凍る夜やながるる川の音高し 木徒 |
| 葉柳や魚の飛かふふちのうへ 嘉情 |
| 一本の花の事たるいほり哉 京 東白 |
| 朝顔の咲き咲きちぢむあさ日かな 弥山 |
| 落葉つむ中にめだつや冬いちど 餘更 |
| 吹きこして舟にちりこむさくら哉 梅文 |
| さっぱりときかへて見るやけふの菊 横広 |
| 麻かりてかわるや風のふきところ 正水母 |
| □□□□□□□□□ (奉納額に追加) 但生野 □仙 |
| □□□□□□□□□ (奉納額に追加) 但大杉 正水 |
| 其影は壁にうごくやたねふくべ 淇竹 |
| むすび手の水もいとふや社若 素硯 |
| うき草をなかせばもとの河瀬哉 吐王 |
| 寒菊のあはれこことの庵かな 舜民 |
| 分入れば草までにほへなつの山 柳民 |
| 露しげきままを折ばや草の花 西 |
| 河の瀬を越て聞きたしほととぎす 瓢月 |
| 夕立おまつ野千草の昼の色 湖月 |
| 春の瀬のなかれ次第やふちのなみ 竹布 |
| 石山や月に横たふ雁の声 西郭 |
| 夕立はすそのなりけり不二詣で 西郭 |
| 行行て峠にむかふあつさかな 沙月 |
| 秋風の道一筋や山のいろ 播福野 歌柳 |
| 音もなく香もなき川の涼みかな 但建屋 西星 |
| 世わたりを川にまかせて鵜舟かな 吉井 洗耳 |
| 宇治川や蛍見ながらふし見迄 横香 |
| 炉開やまだ寒菊の葉の青み 西郭 |
| 青柳に朝日のつたふ雫かな 和田山 五反 |
| 手折来て里のはなしや寒椿 西星 |
| 一色に風のかほるや桑の畑 和田山 西華 |
| 葉桜や猿の引あふ菅の傘 沙月 |
| 中々に狭き住居を夏の草 西 |
| 朝顔やねじれねじれてあすの花 竹田 虎渓 |
| 濡橡に露こぼしたる菖蒲かな 和田山 克己 |
| 涼しさや東雲あかき草の色 竹田 玉兎斉 |
| 生きて見る心も涼し夏の菊 登 |
| 垣一重日向に青し春の草 和田山 五反 |
| 鶯を聞きつつ野辺に摘茶哉 生野 兎雪 |
| 更行や月見る顔に松の露 蔵垣 松露 |
| 芳野たつ暁寒し散みみじ 京 自生 |
| 能はててはかまたたむや宮の下 文桂 |
| さわがしき山音やみてゆう時雨 但大森 賀々一 |
| 白梅や在所に目立つ門かきへ 京 和水 |
| 朝顔やかぎりの露のをしまるる 但八木 路全 |
| 梅が香にそひて吹きけり朝嵐 義風 |
| 広橡にとづる牡丹や夕西日 兎月 |
| 山ふきや岩間をもるる水の音 蔵垣 松露 |
| 瀬にかかる筏飛こす子鮎かな 沙月 |
| うら関やすすきのうけの鑓しるし 京 吐月 |
| (追加) |
| 山寺の東雲ちかきさくらかな 京 紫水 |
| 風薫る山やたえせぬ念役力 其鶴 |
| 接待の釜にふきけり松の風 評者 欄更 |
| 但吉井 □月 □□□□□□□□□□□□□ 執筆 西郭 □□□□□□□□□□□□□ 願主 正水 (奉納額に追加句) |

